産業ロボットで世界を制した栄光も今は昔。論文数で転落
メカが得意なだけではダメ
それだけ世界的に見て、この領域に研究者の注目が集まり、競争が激化しているということだ。
とはいうものの、日本はロボットのハードウェアの部分で今だに存在感があるという。「メカに関する論文では、日本が世界をリードしています」と同教授は言う。
ところが最近の研究のトレンドは、ロボットに搭載するソフトウエアの部分。特に機械学習、ディープラーニングなどが、注目領域だ。事実、今年の最優秀論文のファイナリストは、3本とも機械学習に関するものだった。「そして今後注目される領域も、やはりディープラーニングになる」(同教授)という
残念ながら日本は、ロボットxディープラーニングの領域で特に優位に立っているわけではない。日本には、この領域に詳しい研究者がまだ圧倒的に少ないという。この領域に圧倒的な支援を行なっている中国と違って、日本は公的な支援が少ない。「危機感を持つべきかも知れないが、すぐにはどうしようもない」と同教授は語っている。
ただ日本の民間企業が軒並みこの領域に参入し、国際的な展示会などにも出展し始めた。それは望みの一つかもしれない。