米中対立の中の日本はどうしたらよいのだろう?
簑原氏「誤算あれば戦争につまずくかも」
--「新冷戦」と呼ばれる対立は「熱戦」に発展しないか
「対立が覇権をめぐる争いである以上、安全保障に目を配る必要がある。中国はスプラトリー(中国名・南沙)諸島を軍事拠点化して手中におさめ、今や台湾や尖閣諸島(沖縄県石垣市)にまで手を伸ばそうとしている。台湾防衛は米国にとって譲れない一線だ。日本も尖閣諸島を渡さないし、日米同盟は強固だ。中国が『日米は座視する』と誤算して台湾や尖閣諸島に侵攻すれば、戦争へとつまずいてしまうかもしれない」
--日本はどうすべきか
「米中どちらかが攻防を諦めて覇権を譲らない限り、対立は終わらない。日本は軍事研究を忌避する考え方を改め、広く安全保障を論じられる環境を早急に整えるべきだ」
柯氏「蜜月に戻ることない」
--トランプ政権が終われば米中関係は元に戻るのか
「中国の台頭がここまでくると米中の覇権争いは避けられず、蜜月に戻ることはないだろう。米国は中国の国家戦略の要衝を見極めてそこに一撃を繰り出し、戦っては一時停戦するという繰り返しが続くことになる。中国側の最大の失敗は、ハイテク産業育成政策『中国製造2025』といった看板を掲げて米国を刺激したことだ。今後も『中国の夢』は見続けるが、象徴的な看板を目立たなくさせてひそかに国力を上げるという方針に習政権は軌道修正したとみている」